しろつめ舎

クレマチスの丘から、昨年１年間のワークショップをまとめた小冊子が届きました。
ワークショップを始めて10周年の記念につくられたそうです。

アニとオトウトが載ってました。

私がこどものころ、クレマチスの丘という名称はなく、ビュッフェ美術館だけがあったと記憶しています。
その後、井上靖文学館ができて石づくりの巨大な靖さんにびっくりしました。
美術館のまわりを取り囲む森と沢がキラキラしてて、すごく好きな場所でした。
高校生のときに、自転車で行ったことがありました。
受付の方が親しく話してくれて、展示してある絵以外にもたくさんビュッフェさんは描いてるからと後日ポストカードをたくさん送ってくださいました。
ポストカードは販売用の見本でした。あんまりたくさんで、親切にしてもらうことにも慣れていなかったし、びっくりしてしまいました。
嬉しいよりどうしようという気持ちでした。数年たち大学生になった私は、お返ししなくてと思い、美術館あてに手紙を添えて送りました。
「寅さんが送ってくださいました。ビュッフェさんの絵をたくさん見せていただいて感謝しています。ありがとうございました。」
というような内容だったと思います。
お返しして失礼だったのでは、と今でも時々思い返します。
今の私なら、届いたときに訪ねて行って感謝の気持ちを伝えることでしょう。
「寅」さんは高校生の私にはおじいちゃんと言ってさしつかえない年齢の方でした。
寅さんから経験という素晴らしいギフトを受け取っていたのだと気づきました。
すべての人にとって、生きて行くことが芸術そのもので人生はひとりひとりがそれぞれの方法で創っていくものだと思います。
そうするために私にはこころに響く美しいものが必要で、なつかしく切ない気持ちになれるビュッフェ美術館が好きなのかも。